toiroでは援助者の方からのご相談も受け付けております。
というのも、難病等の支援にはパーソナル(個別的)な対応が必要になるからです。
例えば同じ年齢で同じ病気を発症したAさんとBさんがいても、出てくる症状も経過も、感じる苦しみも、援助者に求めるニーズも全く違うろん。
特に、神経難病は症状が多様でパーソナルな対応が必要ろん。
援助の過程でどう関わったらいいかわからないことや、ご本人の気持ちがわからなくて行き詰ったことはありませんか?または、日々の関りが作業的になってしまい、ご本人の身体の状態(進行)や気持ちの変化を見落としていませんか?
toiroではそんな援助者の方々が抱える不安や疑問をお聞きして、ご本人のニーズに沿える方法や関わり方のヒントを一緒に考えさせていただきます。
援助者さんもひとりじゃないですよ!
病気の進行すると…
進行性の難病を患っていると、程度の違いはあっても確実に機能低下が現れます。利用するサービスが増えて、関わる人が増えて行きますが、怖いのは人数やサービスだけが増えてしまい、ご本人の頼れる所(依存先)がないことです。
逆にどんなに進行しても頼れる所(依存先)がたくさんあれば、その人はその人らしい生活を続けることができます。
では、どんな事業所・援助者がご本人にとっての頼れる所(依存先)になれるのでしょうか。
頼られる事業所・援助者になるには
大事なポイントがいくつかあります。そのうちの2つを紹介します。
比較しないこと・ご本人の主観を大事にすること
私達難病患者が症状を伝えた時に、よくある反応が「あー○○さんも言ってたわ」、「私もなったことある」などと人と比較されることです。わかりやすく言うと倦怠感ですが、難病の症状として現れる倦怠感は元気な時のそれとは比べ物にならないもので、進行のサインとなる場合もあります。誰にも伝わらないしんどさの中にいる時に上記のセリフを言われると、それ以上話す意欲はなくなります。
こういう時に比較していいのは過去のご本人だけです。「昨日の症状と比べてどう?」「寝てる時も同じ症状ある?」など、あくまでご本人に過去の自分と比較してもらいます。忘れてはいけないのは、このセリフの前に「そっかぁ」などとご本人のしんどさを受容することです。
援助者の主観を伝えたいときには「前回より顔色いいように見えるけど、しんどさはどう?」とあくまで、ご本人の意見を聞いてみてください。
すると、(よく見てくれているなぁ)、(自分のことを知ろうとしてくれているなぁ)と心を開くきっかけにもなります。
連携をすること
ご本人を中心としてたくさんの関係者が関わっています。ご家族もその内の大事なメンバーです。特に在宅での援助をする場合はご家族との連携は重要になります。
『連携』と聞いて思い浮かべるのはどんなことでしょう?情報共有を思い浮かべる人が多いかもしれません。確かにとても重要なことですが、少々難易度が高いので、また記事として投稿します。
というのも、情報共有をしていたとしても誰目線で行っているかということが問題になってくるからです。援助者側の主観や憶測でされた情報共有は、ご本人のニーズや思いからかけ離れてしまうリスクもあるのです。
なので、ここでは良い連携の最初の一歩をご紹介します。
- しっかりと挨拶をすること
→挨拶は全ての基本です。室内に入る時やご本人の目の届く場所に来た時、他事業所との交代の時などにしっかりと挨拶ができるだけで、その後の関係性は大きく変わります。挨拶には「ありがとう」や「ごめんなさい」も入っています。言葉にすること、大事ですよね。 - 出したものは、出したところに片付けること・あった状態に戻すこと
→意外な内容かもしれないですが、重要です。たくさんの人が出入りする中で、同じ場所に同じものが同じ状態であることで、ある程度のケアの質が保てます。それは、ご本人が使う物品やポジショニングにも言えることで、基準の状態を基に状態に応じて対応していくことで安心したケアを提供できます。 - どの専門職も立場は対等であると認識すること
→各専門職もご本人もご家族も全て立場は対等です。役割が違うだけで上下はありません。現場でよく見かけるのが一方が高圧的で一方が委縮している構図です。どちらの状態でも、頼りたい援助者とは遠いところにいることになります。先ずは、相手の専門職としての立場を尊重することと、自分も専門職である誇りを持って援助し意見を言ってもらいたいです。そんなメンバーがそろったチームは、ご本人のニーズに沿ったケアを提供しようと共に頑張れるはずです。
たくさんあるポイントの一部をご紹介してみました。ご希望があれば、続きはホームページ内のブログでご紹介します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
ご本人への援助をどうしようかと悩んでいる時点で、パーソナル(個別的)な援助の入り口におられます。その気持ちは必ずご本人に届きます。
やり方や関わり方、制度のことなどを含めて何がご本人のニーズに沿えるのかを一緒に考えさせていただきます。